「お前の嘘ぐらいすぐ見抜ける」。
 

 ブン太の怪我を終えた当たりからが可笑しかった。

 なんだかよそよそしい。これは俺の勘が当たればだが・・・。もしかして?



 柳蓮二その2


 「蓮二!ブン太怪我してた。珍しいよね?」

 がコートから戻ってきた。

 「そうか。俺はこれから仁王と試合だ。怪我したら頼む。」

 「解った。」

 は唯一の立海の敏腕マネージャー。

 そして、俺の彼女だ。

 テニス部のマネージャーは体力がないと務まらない。なにせ、レギュラー目当てだとすぐ辞める。

 は違った。

 俺と同じで小学生からテニスをしていてでも選手ではなかった。

 趣味としてやっていたのだ。それも勿体無いと俺がマネージャーへと引き抜いた。

 その前から俺はの事はずっと惚れていた。

 の仕事ぶりは普通の女生徒以上だった。


 「参謀、練習試合じゃよ。今度はダブルスやろ?俺ら入れ替わるか?」

 仁王の言葉に我に返る。

 「入れ替わる・・・。」

 「おう。俺が参謀に。どうしたんじゃ?」

 「それ凄い名案だな。仁王。これ使わせてくれるか?」

 「・・・?なんじゃ?俺が使おうと思ってたんに・・・。」

 仁王がにやりと笑った。俺の考えてる事もわかるみたいだな。

 「・・・。まァ、この試合いただきじゃろ?」

 仁王の考えに珍しく賛同した。

 の普段想ってる事はすぐに解る。

 が、たまーに解らない時がある。

 それは俺の目を見なくなる当たりからか?

 そもそも俺の目を見ないとは何かしら考えてる訳ですぐ解るんだが・・・。

 今回は違った。

 だから仁王の考えに乗って、を試してみようと言う作戦に出たのだ。

 俺を解ってもらうためにも・・・・。


 

 2012.05.31karia

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